- 陽之 石田
デジタルツインとトークン化によってできること
トークン化するということで何ができるのかという点について書いてみたいと思います。ビットコインを始めとした暗号資産は別名トークンともいわれます。このトークンには純粋なお金として使う以外のトークンの活用方法も存在します。
このトークン化を解読するのにはもう一つ「デジタルツイン」というキーワードが重要な要素になります。デジタルツインとは、現実で起こっていることをそのままデジタル上で表現するということです。
実際の道路を走っている車をそのまま地図上でも走らせるカーナビもデジタルツインの一つです。そのほかにも、航空機エンジンをモニタリングして稼働状況をデジタル上に再現してメンテナンスの効率化を図るといった事例や、建設機械の位置や稼働状況をマップ上に再現してこちらも稼働の効率化を図るといったことが行われています。
各種センサー技術を活用してリアルに行われていることをデジタル上に表現することはすでに今までの技術でも可能ですし、今後5Gの通信が一般的になればさらに加速するでしょう。
しかしここで大きな問題が起こります。インプットされたデータに基づいて支払いが行われたり、そのデータの取引が発生するときに、その正確性をどのように担保するのかという問題です。
ここでブロックチェーン技術であるトークン化が登場します。
例えば、太陽光発電で生み出した電気を1単位当たり1トークンとして、発電した分をトークンとして発行すると何ができるでしょうか。
電気という見えないものを「どこの」「誰が」「どのくらい」作ったのかが数値としてデジタル上で表現できるようになり、しかもそれはビットコインがそうであるように、お金そのものとそん色のない信頼性を持たせることも可能になります。
しかも、トークンを発行した時に付加情報としてそのエネルギー源がクリーンエネルギーであることを証明できれば、選択的にクリーンエネルギーを購入するというような購買行動にも対応が可能です。
エネルギーだけではありません。ボランティア活動といった目に見えない活動を可視化することにもトークンが役に立ちます。リアルで生み出される「価値」をデジタルに乗せる時に、ブロックチェーン技術は欠かせない技術となる可能性があるのです。
ビットコイン以前は、インターネット上で当事者同士での正確な価値のやり取りは不可能とされてきました。私が持っているデジタルのデータが唯一のものであることを証明できないからです。
しかし、ブロックチェーン技術がこのデジタル上で価値を表現することを可能にしたことで、できることが大きく広がったのです。
デジタルツインもその延長線上にあります。あらゆるものがデジタル化されていく中で、唯一「価値」を表現するものについてはデジタル化が進んでいませんでした。今後、この部分もデジタル化が進んでいくことになります。
トークン化とは生み出した価値をデジタルで数値化して取引可能にすること。
あなたはこの技術で何ができると思いますか?夢は広がります。